第6話 「サバイバル計画の夜」

麗司は物資の整理を終え、すでに日が沈みかけた暗い部屋の中で、次の行動を模索することにした。生存のための戦略を立てるために、彼は冷静にそして計画的に進める必要があった。彼にとって、この状況はすでに現実であり、感情に流されることは許されない。彼は、自分の知識を活かしながら、次に行う行動を選び取っていく。

彼はまず、次に向かうべき場所の選定を行った。街の中での必要な物資として、もう一つのスーパーマーケットやホームセンターが挙げられるが、今回はホームセンターに行くことにした。そこには工具や生存に必要なアイテムが潜んでいるかもしれないからだ。特に、電池や懐中電灯、さらには防災用のテントや寝袋があれば、彼のサバイバル生活が大きく向上することだろう。

「明日の朝、明るくなったらすぐに出発する」

麗司は心の中で明確な決意を固めた。今夜は時間を無駄にせず、必要な準備を慎重に進めることに集中する。彼の計画は、静かで逃げ場のない環境下で、素早くそして効率的に行動することだ。物資の整理をした後は、探す対象のリストを作成し、必要な道具を準備することへと手を進めた。

まず、彼は必要なアイテムの一覧をノートに書き込む。懐中電灯、電池、ナイフ、テント、缶切り、ロープ、そしてできれば水を運ぶための容器や、保存食に関する道具などが必要だ。自らの生存に直結するアイテムのみを考え、彼は各アイテムがどこにあるかを頭の中で映像化していく。

一通り計画が整った後、麗司はリュックの中身を再度確認する。残った食料や水に加えて、他に何か置いておくべきものはないかと考えながら、整理を進めた。彼は、食料の保存状態や、物資の配置に特に気を使った。明日には新たな物資を手に入れるため、リュックはできるだけ軽量で効率的に運べる状態でなければならない。

「水や食料が減るのはあっという間だ。無駄にすることだけは避けなければ」

彼は心の中で呟く。計画的に物資を消費することが生き延びるためのカギであり、彼の心の中の恐怖を少しでも薄めてくれる一因なのだ。次の行動に関して、過去の経験や知識をフルに活かし、無駄にせず慎重に物事を進めるために、麗司は思考を深め続けた。

続いて、彼は懐中電灯を取り出し、点灯させる。周囲が薄暗くなってきたため、明かりを確保することは絶対に必要な行動だった。電池の消耗をできるだけ少なくするため、光を点ける時間は最小限に留める。麗司はキッチンのテーブルの上にリュックを置き、明かりを灯しながら手元を確認する。物資が整理されたリュックとラフにまとめられたノートが、自分にとっての不安を少しでも和らげる存在だと理解する。

彼は、これからのサバイバル生活に必要な自己防衛のために、ナイフを持つことを決意する。それを確認するために、リュックを再度開け、ナイフを取り出す。刃の状態を確かめ、使えることを喜ぶ。多くのサバイバル情報において、道具を持つことは生存率を大きく引き上げるとされている。何か問題が起きた時にはこのナイフが重要な役割を果たすかもしれない。

次に彼は、自己防衛のための適切な場所を確保する必要があると考えた。彼のマンションは完全に静まりかえっているため、窓やドアの周囲に注意を払うことが必要だ。リュックの中にあった古い毛布を使って、窓にカーテンのように取り付けることにした。音が漏れることを防ぎ、外からの視線を遮るために工夫する。

「これで少しは安心できるだろう」

彼は保存食を掘り起こすように審査し、今の生活でのスケジュールを考える。どのタイミングで何を食べるのかを明確にし、無駄を最小限に抑えることが重要だ。

それから、彼は自身の身体を整えることにも目を向けた。普段の生活では運動をすることはなかなかないが、今は状況が異なる。体力を維持することも生き延びるための大切な要素である。彼は簡単なストレッチを始め、少しでも身体の可動域を確保する。この状況では、培った体力が役立つことになるだろう。

夕食は、さきほど確認した缶詰の一つを選ぶことにした。カレー缶を開け、お湯を沸かして食べる準備を進める。準備中も、音を立てないように細心の注意を払った。スープ缶は、持っていたキャンプ用コンロを使って温める。その間も、外の音が気になる。どこかで物音がすれば、自分とは限らず、何かが近づいているかもしれない。

「食事の時間が終われば、また考えるべきことが山積みだ」

彼は心の中の不安と戦いながら、粛々と食事を終えた。その後、食器を片付け、残ったゴミをそのままにしないように、しっかりとまとめておく。明日、外に出るための準備は万全だ。彼の心が恐怖で満たされると同時に、明るい未来を求めて戦う決意を新たにする。

食後、彼は自らの手元にあるすべてを再確認した。計画は非常に重要で、彼の次の行動が生き残るためのカギとなる。生活環境が崩壊した今、その一瞬は死に直結するかもしれない。彼は決意を持ち続け、次の行動までの時間を意識的に使うことにした。

さらに、彼は明日の天候や周囲の状況を確認するため、窓の外を忍び見た。薄暗い街灯とその間を漂う不気味な影に、恐怖がこみ上げる。ゾンビは恐ろしい存在であり、何が起きるかわからない。彼は心の準備をしつつ、現状を維持しなければならない。

「静かな夜が続くことを願うしかない」

夜が更けていくにつれ、彼は静まり返った部屋の中で、注意を持って座り続けた。時折、外の音が響く度に、彼の心はドキリとし、感覚が研ぎ澄まされていく。生き続けるためには、この恐怖を乗り越え、戦略を確立しなければならない。

彼の心の中には、不安と緊張が渦巻いている中、
「次の朝、無事に目覚められますように」
と何度も祈るように思った。果たして明日、彼は必要な物資を手に入れ、又一歩未来に向かうことができるのだろうか。

早くも明日の準備をするため、彼はすでに目を閉じ、少しの休息を取ろうとする。しかし、心のどこかでいつでも起き上がれるような意識を持っていた。安静にしているその瞬間が、次の日の自分にとって重要であることを彼は知っていた。生存のための第一歩を、静かに、しかし着実に進めなければならないのだ。

明日への不安を抱えながらも、彼は休息を取ることが生存の一歩であることを理解していた。そして、彼は新たな日を迎え、その後の行動に挑むための準備を心の中で整えながら、静かに目を閉じるのであった。明るい未来を求めつつ、終末世界を超えて生きぬく覚悟は、彼の心の奥底で芽生え続けている。