第2話 「生き残るための食料整理」

水無月青志は、確かな使命感を持って食料の整理を始めた。冷蔵庫を開けると、冷たく光る食材たちが目に飛び込んでくる。彼の頭の中には、計画とアイデアが次々と浮かんでいた。冷蔵庫には、ポテトやキャベツ、今すぐにでも調理可能な食材が豊富にあった。しかし、彼はそれらをどのように保存し、また次にどうやって利用するかを考えなければならなかった。

「まずはこのポテトから」

青志は、ナイフを手に取り、食材を慎重に扱い始めた。自宅のキッチンは、数年前に彼がDIYで改装した場所だ。カウンターは古い木材を使った特注品で、彼の手によって生まれた温もりが感じられる。作業台にポテトを並べ、皮を剥く。冷たい空気が流入しないように、部屋の奥の方に置いてある、彼が手作りした防寒カーテンが静かに揺れている。

冷蔵庫から取り出したキャベツも、次に手をつけるべきだった。青志はそのままの状態で保存しても大丈夫だが、一度切ることで中身のチェックができる。キャベツは数日は持つが、その見極めが彼の日々の食料計画に直結する。これもまた、サバイバルの一環だ。

作業を進める間、彼は冷蔵庫の中を眺め、他に何が残っているのかを確認する。レトルトのスープや缶詰も含まれ、毎日少しずつ利用していくことができる計画を立てておく。直感的には、来るべき寒い日々のために、何かの工夫が必要になってくる。いつでも限界状況に置かれる可能性があるため、彼はその心構えも忘れずにいた。

彼は朝食を食べ終え、次にやるべきことを決める。ポテトとキャベツのスープを作った後、コンロの前には小型のストーブが静かに燃えている。古い缶を溶かし、天井から吊るした金物の鍋でじっくりと煮込む。あまり多くの燃料を使わず、最適な温度を保ちながら火を見つめる。

「スープは何日か分の栄養源になる」

湯気が立ち上る中、青志は口の中に広がる味を思い描く。深みのあるスープが彼の心を落ち着かせてくれる。彼はDIYにおいて費やした数年の努力、その成果をここで生かせることが何よりの satisfactionだ。

スープを煮込む間、青志はついに外に目を向けた。窓の向こうには、まだ雪が降り続いていた。あたり一面の真っ白な世界、その中にいると時間の感覚が麻痺してくる。彼は意識を花に戻し、外に出ることを考える。生き残るためには、外の状況をしっかり把握しなければならない。

「外に出て物を探さないと」

心の中でつぶやくと、彼は軍用コートを羽織り、古いブーツを履いた。外の気温がどれほど低いのかを考えつつ、彼は少しずつ扉を開ける。雪が心の準備を囁きかけてきた。まるで、彼をを試すかのような冷たい軍隊がそこに待っているようだった。

「それでも行かなきゃ」

さすがに何日も籠もっていると、外に出る必要性が募る。青志は準備を整え、勇気を振り絞ってドアを押し開ける。その瞬間、凍える冷たさが一気に彼を包み込む。息を呑むような瞬間だが、彼は決して目を逸らさない。強い意志を持って、彼は数歩を踏み出した。

外の景色は、彼が想像以上に美しいものだった。ただし、冷たさも伴っている。周囲を見渡すと、家々の屋根には厚い雪が残り、果てしない白の世界が広がっている。その景色の中で、青志は生き残るための知恵を使う必要があることを痛感した。彼は自宅の周りを探りながら、食料や道具を見つけるために入念に足元を見た。

近所の家々からは人々の気配が消えていた。自分の周りには誰もいない、孤独な感覚が胸にしみ込んでいく。彼はそんな状況でも冷静さを失わず、この厳しい環境での生活を続ける決意を固めた。

数メートル先、雪に埋もれた小さな物置に目をやる。ひとしきりの思案の後、彼はそちらに向かうことに決めた。幸運があれば、何かの道具や食料が見つかるかもしれない。進む度に雪が足元から崩れていくが、青志はその感覚を受け入れて進む。

物置の扉は錆びていて、少しの力で開けることができる。彼は中を覗いてみると、まるで古代の財宝が待っていたかのように喜びに包まれる。古い工具や、何かの材料、そして未開封の缶詰がいくつか放置されていた。

「これは見逃せない」

目を輝かせながら、それらを一つ一つ慎重に確保していく。彼は缶詰を一つ手に取り、その中身を考える。それは今の彼にとって、貴重な栄養源となる食料だ。彼は手元にある道具と一緒に急いで家へ戻った。

帰宅後、すぐに台所に缶詰を並べる。さっきまでの寂しさや不安が一瞬にして消え、喜びに変わる。無事に必要な物を手に入れたのだ。自分の生きる力を再確認しながら、彼は次の食事を考えて、ついスープをかき混ぜる手にも力が入る。

「次はどれを開けようか」
とつぶやくと、その言葉が再び新たな挑戦への決意をリマインドしてくれる。彼はここで勇気を得て、この極寒の世界を生き抜く力を授かる。

確かな手応えをもって、少しずつ前へ進み続ける。どんな困難が彼を待ち受けていても、青志は決して諦めることはない。孤独な旅路の中、彼は精一杯の努力を惜しまない。

次は何を作ろうか、その一歩が今日の喜びとなり、次へとつなげる。耐え忍ぶことで築かれた未来を信じながら、青志は日々の生活に取り組んでいくことを誓った。極寒の世界で、彼が出会う新たな景色と、それを支えるために彼が見つけるものが待っている。